心優しいバスパークの女王:マリア物語:No.3

この犬は誰?

マリアはどこ?

これはどういうこと?

実はあの夜、マリアはケージを壊して逃げたのです

彼女は以前、動物病院に入院中にドアを破壊しました

鼻が擦りむけても一晩中ケージを噛み続けました

獣医さんはこんな犬は長い経験でも初めてだと驚いていました

預かりのお兄さんは逃げたと気付いて直ぐにマリアを見つけて確保したのですが、実はそれは違う犬だったのです

私達は慌ててマリアを探しましたが、テリトリーから遠く離れた場所で既に数日経っていたので、もう見つけられないかと思いました

探す方法も他に分からず、念のため獣医さんに連絡をすると、驚くことに前日の早朝マリアみたいな犬が買い物帰りにあとをついてきたので、人懐っこい犬だなぁと思いながら、足の切り傷に薬を塗ってあげたと言うのです

マリアは獣医さんの動物病院から出発して遠くの家に向かったので、似ているけどそんなはずはないと思ったそうなのです

その後も私達は慌てて動物病院の周辺を1時間以上も探しましたが見つかりません

バスパークのダディに薬を飲ませに行ったサーガル君もマリアが突然現れて喜んで抱きついてきたので私達に何度も電話したのですが、必死に動き回っていた私達はそれに気づきませんでした

そしてまた、いつも助けてくれるバスパークの八百屋さんの女性も前日の夕方ダディが「長い間居なかったマリアが戻ったよ」と言いたげに2匹で会いに来たと言いました

マリアもダディもその女性が大好きでした

彼女は私達から餌や薬を預かって犬に与えてくれたり、自宅の柵の中に病気や怪我の犬を隔離してくれたり、

私達より彼女に懐いている野良犬も沢山いたので、獣医さんに彼らを運ぶ時に同伴してくれたり、注射の時に犬達を抱えてくれたりもしました

さらに、お店の横には犬達のベッドも作ってくれました

そして、野良犬達に何か問題がある時は直ぐに連絡してくれました

彼女の息子のお嫁さんも病気の犬のために自分達も滅多に食べられないお肉を自分のお金で買って与えたりしてくれていました

こうして、マリアは既に動物病院からバスパークまで帰ってきていることがわかり、今度はバスパーク周辺を手分けして2時間も必死に探し回りましたが日が暮れてしまったので、その日は一旦解散しました

しかし実は一人だけ残って暗闇を探し続けた人がいたのです

そう、それはマリアを逃してしまったお兄さんです

彼は諦めずに慣れない場所を必死に探し回りました

そして神様は今度こそ本物のマリアに会わせてくださいました

彼から確認のため送られてきた画像は紛れもないマリアでした

私達は本当に沢山の優しい隣人達に助けてもらっています

こうして、とうとう翌朝マリアと再会できたのです

名前を呼ぶと振り返ったマリアが嬉しそうに走って来ました

タクシーで連れて行かれた家から25キロもの距離を歩いて、足に怪我を負いながらダディのいるバスパークに戻って来ました

もしかしたらテリトリー侵入で他の犬に噛まれた傷かもしれません

4日間飲み食いもせずに歩いたのでしょうか

驚くべき奇跡のお話ですよね?

どんなことを思いながら痛い足で歩き続けたのでしょう、連れて行かれるタクシーの窓からずっと外を見ていたというマリア

初めから戻るつもりだったのかもしれませんね

ヘルパーの一人が、「時々マリアは人間じゃないかと錯覚する」と言っていたのが分かります

そしてこの奇跡には驚きの続きがあり、私達が諦めかけていた避難所建設への急展開と繋がっていくのです

つづく、、、

筆者:Bo Giant

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