日本の○処分の現状とそれを無くすために出来ること

私達夫婦は2021.10月にネパールから日本に帰国して、古い実家を犬用にリフォームし、庭にドッグランを作り、12月より野犬の子犬を一度に2〜4匹引き取っては里親を探す活動をしています。

2020年のデータによると、日本でペットショップからの犬の購入は約46万頭に対し、保護犬の譲渡は1.4万頭、つまりわずか33分の1です。そして約4千頭が殺処分され、そのうちの約800頭が子犬です。

私達にはネパールから一緒に連れ帰った先住犬マロがいますが、万一子犬達に里親が見つからなかった場合は、そのまま飼うことを前提にしておりますので、預かる頭数を2匹程度に制限しています。

この2匹は既に里親が決まっていますが、間隔を空けて2度の5種混合ワクチン接種や、エサやトイレの躾、社会性の勉強を終えてから里親に引き渡します。

この2匹はどちらも山口県からの子犬です。

野犬が多くて有名な地域ですが、郊外に広大な公園や墓地があり、犬を捨てたり、野良犬にエサを与える違反行為をしても人に見られないため野犬が集まるようです。

彼らは住民に危害を加えることもあるので、山口には野犬情報用のアプリが存在するほどです。

保護された犬の扱いは自治体によって異なりますが、大体の場合は保健所に保護されて譲渡可能と判断されれば公示され、1週間程度に里親の応募がない場合は殺処分となります。

その判断基準はとても厳しく譲渡不可の犬が多くいます。

そして、その犬達は里親募集すらされないということになりす。

そんな犬達をまず地元の保護団体が保健所から引き取り里親募集をしますが、それでも応募が無かった犬達を別の県の保護団体が引き取って再度里親募集をします。

我々はそんな段階を経た愛知の団体から車で往復4時間ほどかけて引き取るパターンが多く、子犬達に必要な世話をしながらSNSなどを使って里親募集をしているのです。

私達は今迄にこの2匹を含め30匹以上の子達に素敵な里親をみつけられました。

里親応募者には面談試験を受けてもらいます。

例えば家族構成や先住犬、家の造りや環境、毎日の留守番時間や散歩、逃走防止策、飼育経験についてなど1時間を超える細かい面談です。

そして引き渡しの時にはワクチン代などを含めた実費の何割かを支払って頂いています。

残念ながらそれは高額ですが、私達がこの活動を継続するためには仕方ないことなのです。

この2匹は白い方がパッパで茶色いほうがポッポです。

私達は獣医にパルボ検査、皮膚検査、血液検査、検便、5種混合ワクチン接種などをしてもらいます。

フロントラインや駆虫薬や抗菌シャンプーなどは私達が常備しています。

野犬の子犬はダニによる皮膚病の疥癬症やお腹に虫がいることが多く、激しい下痢で突然体調が悪化する場合もあります。

パッパは台風の影響で体調を崩したりしました。

それに酷い下痢になり私達は犬用ポカリスエットをシリンジで与えたり、別のケージに隔離したり、獣医さんに抗菌剤や抗炎症剤を投与してもらって回復しました。そして2回の検便で異常無しだったのですが虫下しで大量の虫も出ました。

私達は完璧な状態で里親さんにお渡し出来るよう妥協せずにケアしています。

普通は2回目のワクチン接種後7日経たないと散歩に出せませんが、私達には清潔な人工芝のドッグランがあるので朝夕思い切り走り回って遊べます。

パッパは最初から活発な子で、マロによく叱られています。

ポッポは大人しいですが、パッパにつられて元気よく遊んでいます。また日中は私達が仕事をするリビングでマロと自由に過ごしたりしながら、生活音や人間の暮らしにも慣れさせ、マロからの教育を受けたりします。私達は屋内、ドッグランを含めて1日数時間は清掃に時間を使っています。

先住犬マロは子犬達に犬の縦社会のルールを教育します。

これは親から教われない子犬達にはとても大切な要素です。

他県のある獣医さんが私達の保護犬を病院にきたワンコ達を癒すヒール犬に選んで下さいましたが、愛情たっぷりに教育も受けて元気に育つ環境が選択のポイントだったと言われました。

また親と暮らせない子供達の施設に引き取られた子犬達もいます。

引渡し後も相談や報告など、私達との繋がりは継続します。

引渡し当日は家族3世代総出で来られたり、ホームビデオで受け取りの瞬間を撮影されたり、私達にケーキを焼いてきて下さったり、みんなが幸せで私達の苦労が報われる時間です。

今回パッパは私達の支援者の1人が里親です。彼らは既に犬用の素敵な居場所を作り、獣医さんの予約も済ませ、成長を私達に見せて下さるためのSNSも開設されました。

ライブのチャットでは皆んなが色々教え合います。

そして引取りから引き渡しまでを動画やライブや夜の見守りライブで見ることができます。

時には費用へのクレームや、突然のキャンセルや、連絡不能などのトラブルもありますし、眠れない夜もあります。

しかし、もしかしたら消えていた命が繋がり、子犬達がどこかの家族の一員として幸せに生きていけるお手伝いが出来ると、苦労が報われます。

ネパールと日本の2カ国での活動継続はとても大変ですが、1日でも長く、1匹でも多くの野良犬を救えたらいいなと願っています。

つづく、、、

筆者:Bo Giant

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