保護活動始めた理由「フェアリーとマメ」との出会い

今から3年前の雨期のある日

びしょ濡れの痩せた子犬に出会いました

その子は雨でドロドロの道をお腹を空かせて歩き回っていました

きれいに洗ってあげたらクリーム色になりそうです

パパさんは野良犬にいつでもあげられるようにクッキーを持ち歩いていたので1枚、また1枚と食べさせてあげました

初めてなのにしっぽをぶんぶん振ってとても愛らしい子でした

次に会った時は抱っこをしてみました

緊張で固まっていましたが、またクッキーを沢山食べました

その子には小さな茶色の相棒がいて、可哀想に右の前足を痛そうにしていましたが、仲良くクッキーを食べました

2匹は出会うと大雨で川のように水が流れる道もぐちゃぐちゃで足が埋まりそうな土の上も、低いブロック塀の上も私達の後を嬉しそうについて来ました

クリーム色の女の子がフェアリー、茶色い男の子がマメでいつも家具工場の作業場にいました

色んな物が散乱する作業場で全身木クズまみれでプロレスしたり、ボロボロになるまで段ボール箱を噛みちぎったり、遊び道具に困らない場所で、時々来るマスクやブラウニーとも仲良く楽しく暮らしていました

いつもお腹は空いていたので骨でもチーズでも何でも食べました

歯が欠けそうな大きな硬い骨も諦めずに、顎をガクガクさせながら2匹で挑戦しました

初めてアイスキャンディやスイカも食べました

ママさんから待て、パパさんからお手も教わりました

綱引きをしたり、クッキーがどっちの手にあるかゲームもしました

パパさんのいたずらのおもちゃのハトに驚かされたこともあります

そして、ある日フェアリーは近所の人に保護されました

ご飯はもらえるけど、引き換えに鎖でつながれて自由は失いました

でもマメは変わらずフェアリーに寄り添っていました

飼い主さんが鎖を解いてくれた時は大はしゃぎでいたずらしました

はしゃぎすぎて牛のフンを身体に付けて帰って来た時は

また繋がれてしまいましたが、懲りずにいたずらを楽しみました

マメはママさんが愛犬マロの次に大好きな優しい子でした

そしていつものようにパパさんがクッキーをあげて、いつものようにじゃあまたね!って私達は家に帰ったのに、マメと再び会うことはありませんでした

ネパールではよくある治せない感染症だったということでした

そしていつも必ず一緒にいたマメを失ったショックなのか、フェアリーも元気がなくなっていきました

ママさんは手作りのお布団を持って会いに行きました

柔らかくて暖かい愛情のこもったお布団の上で、パパさんから大好きだったクッキーをもらいましたが、フェアリーはひと口も食べられませんでした

そしてそれからわずか4日後

フェアリーはマメと同じように、静かに息を引き取りました。

今ならそれはパルボかエールリキアだと分かります

今なら治療できる獣医さんを知っています

今なら治療費を支援してくれる人たちがいます

今なら毎日薬を飲ませてくれる人がいます

今なら安心してゆっくり療養できる避難所があります

でもあの時の私達には何一つありませんでした

私達が非力で救えなかった命を胸に3年間頑張ってようやくここまで辿り着けました

私達の活動のきっかけをくれたフェアリーとマメ

1年にさえ満たないとてもとても短い生涯だったけど2匹のおかげで沢山の命を救うことができるようになりました。

ありがとう。

筆者:Bo Giant

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