ナナが避難所から帰りクレンが来た日
一面トマトとブロッコリーの畑で、家族と親戚の小さな子供も集まって農作業をしています
屋根があるので雨の日の朝昼夕3回の犬の散歩もここで出来ます
そして広い畑を抜けると私達が作り上げた避難所に到着です
ドッグランを囲むように犬達を世話してくれる家族の居住空間があり、通路にもしっかり屋根やフェンスがあります
ドッグランへは2段階のドアを開けて出入りする仕組みなので、万一、片方のドアが開けたままでも犬達は脱走出来ません
新入りの犬ワンコは、まず2つのドアの間の空間に入り、ドッグランにいる犬達と挨拶をします
避妊手術の療養と攻撃的な性格の矯正訓練を終えて、無事卒業を迎えたナナの場合は、中に放せる迄に数日かかりました
お互い牙を剥き出して威嚇する一触即発の危険な状態でしたが、毎日少しずつ先住犬たちと触れ合う時間を増やしながら、気長に安全に根気強く慣らしていきました
畑で作業していた家族が私達との契約内容に従って毎日世話をしくれますが、施設の毎日の清掃はもちろん、犬のシャンプーも行い、体温や体重を測ったり、療養中の犬のエサを別に用意する作業があります。
他にも、お肉に薬を仕込んだり、食べない時はお肉の種類まで変えたり、少しでも具合が悪そうならいつもの獣医さんに指示を仰いだり、直ぐに病院まで運んだりしてくれるので、とても安心です
ネパールのお正月ダサインで殆どのお店が閉まっていた時に体温計が壊れてしまいましたが、発熱した犬の為にその家族の1人は新しい体温計を求めて街中を探してくれました
ドッグランに放たれた後は犬の縦社会のルールを先住犬達に叩き込まれるので、ナナが元いた地域に戻っても今後は問題を起こさずに暮らしていけるでしょう
彼女は最後はもう卒業したくないほど避難所に馴染んで楽しそうに暮らしていました
次に預けられたクレンは消えたカーリーの4匹の子供の一匹で、今はヘルパーが保護していますが、エールリキアに似た感染症の入院を終えて、暫くはここで投薬治療を続けていきます
犬達は顔見知りではありますが、以前バスパークにクレンが行った時はダディ達が激しく追い返していたので、今回は多分病気を察してクレンを優しく静かに受け入れてあげたのでしょう
それにクレンはあの優しくて人懐っこいカーリーの子なので馴染みやすいのかもしれません
一瞬ビクターが威嚇した時は直ぐさまダディとマリアが怒り、叱られてすっかり落ち込んでしまったビクターも可愛いです
もう少し回復する迄クレンは家族のスペースでゆっくり療養します
さて、今日は若いヘルパーや、車を運転してくれるタクシードライバーさんなども参加して賑やかでしたが、ダディが子供のように遊ぶ姿を初めて目にし、皆んな本当に驚きました
もしかすると、ダディは遊ばないという先入観のない新入りヘルパーが遊びに誘ったおかげでしょうか
まだ新入りで犬に慣れていない彼が一生懸命犬達と戯れたり、ネパールの学生が皆通る厳しい試験に向けて勉強で忙しいヘルパーが久しぶりの犬達との対面で人工芝に座り込み、犬に顔中を舐め回されたり、広いドッグランのあちこちで幸せな風景が見られました
この安心の空間では犬も本来の姿でいられるのでしょう
ダディとマリアとオレオの家族わちゃわちゃシーンもありました
ヘルパー達がいかに野良犬達に愛されているかは一目瞭然です
そして飼い犬のように健康的で清潔なのは避難所の家族のお陰です
奇跡の展開で完成に至ったこの避難所が想像以上に機能していて、感動や安堵や感謝や癒しなど様々な感情が押し寄せましたが、この楽園を維持していけるように皆んなで力を合わせて、より一層頑張りますので応援してくださいね
つづく、、、
筆者:Bo Giant
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